さいたま市大宮の「氷川神社」は武蔵国一宮で、280社あるとされる氷川神社の総本社。
第5代孝昭天皇3年の創建と伝えられ、2000年以上の歴史をもつ古社とされます。大宮の地名も氷川神社を「大いなる宮」と称えたことに由来するといわれる一大パワースポットです。
中世以降は鎌倉幕府や足利氏、北条氏、徳川将軍家に厚く信仰され、治承4年(1180年)には源頼朝が社殿を再建、文禄5年(1596年)には徳川将軍家が社頭を造り、寛文7年(1667年)には社殿群を建立しています。
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この記事の概要
氷川神社は首都圏の民の守護神としてエネルギーを与える社!
大宮は「大いなる宮」
緑ゆたかなケヤキ並木の参道
さいたま新都心駅のそば、旧中山道の大宮宿の地に一の鳥居があり、北に参道が2kmほど延びています。
半ばに二の鳥居があり、ケヤキ並木の参道が続いています。三の鳥居をくぐるとゆたかな緑に囲まれた境内に神池が広がります。
神橋を渡り、朱塗りの「楼門」を入ると「舞殿」。その後ろに「拝殿」が鎮座します。その奥には「本殿」がたたずんでいます。二礼二拍手一礼で参拝。
ご祭神のエネルギーを充分に感じてください。
ご祭神・ご利益
美しい朱塗りの楼門
●ご祭神
- 須佐之男命(スサノオノミコト)
- 稲田姫命 (イナダヒメノミコト)
- 大己貴命 (オオナムチノミコト、大国主命)
ご祭神は須佐之男命(スサノオノミコト)と、その妃の稲田姫命 (イナダヒメノミコト)、須佐之男命の御子神【みこがみ(子供)】で、出雲大社の祭神の大己貴命 (オオナムチノミコト、大国主命)の3神。
いずれも国づくりにかかわる日本神話の重要な神々です。
神話において、須佐之男命は出雲に天降り、八俣大蛇(やまたのおろち)を退治してこの国を鎮めます。須佐之男命の雄々しいパワーは世に活力を与えます。
また、「須佐之男命と稲田姫命」のペアは神話において最も仲睦まじい夫婦神とされ、結婚運を呼びよせ、夫婦円満のご利益を与えます。
二人の御子神「大己貴命(大国主命)」はこの国をつくった大いなる神。のちに国土を天孫に譲り、出雲大社に祀られます。国づくりの神、農業の神、商業の神として広く信仰され、また、多くの女神と結ばれたことで縁結びの神としても知られます。
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首都圏の守護神
そして、なによりも氷川神社は武蔵国の民の氏神社。
「武蔵国一宮」であることで東京、埼玉、神奈川の守護神として地域に活力を与え、開運をもたらす社とされます。
初詣での参拝者数は全国のベスト10に入り、200万人以上の参拝者が訪れています。
「四方拝(しほうはい)」の社
また、氷川神社は「四方拝(しほうはい)」の社とされます。
四方拝とは宮中において、元日の早朝に伊勢神宮をはじめ、四方の神々7社を遠くから拝む年始の最も大切な儀式の一つ。氷川神社はその一社とされます。
歴代天皇はこの儀式によって、五穀豊穣、天下泰平をお祈りし、国を守ってきました。
舞殿
銅板葺き、流造りの重厚な拝殿
境内に散在するパワースポット、摂末社群13社のご利益(ごりやく)とは!?
松尾神社、稲荷神社、宗像神社
氷川神社の境内には神池が広がり、摂末社(氷川神社の中にある小規模な神社)が散在します。
神橋の手前、左手には大山咋(おおやまくい)命を祀る「松尾神社」。酒づくりの神さまとされます。
その先の「稲荷神社」は食物の神、商業繁盛の神さまです。
神池の中の島に祀られる「宗像神社」は宗像三女神を祀る海上交通の神さまです。
六社
神橋の右手には「六社」が鎮座します。
六社には天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀る「神明神社」、海の神さまの「住吉神社」。
山の神、産業の神さまの大山祇命(おおやまつみのみこと)を祀る「山祇(やまつみ)神社」。
火を司る神さま「愛宕神社」、農林業の神さま「雷(いかづち)神社」。
そして、刀の神、戦いの神さまの「石上(いそのかみ)神社」の6神が並び、ご利益があふれています。
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天津神社、門客人(もんきゃくじん)神社、御嶽(みたけ)神社、天満神社
六社の奥には医薬の神、少彦名(すくなひこな)命を祀る「天津神社」が鎮座します。
境内の右奥には、稲田姫命の両親や地主神のアラハバキ神を祀る「門客人神社」と武蔵御岳山の神「御嶽神社」が並びます。
アラハバキ神は縄文の神とも、先住の蝦夷の神ともいわれる謎の神。この2社の信仰は謎を秘め、不思議なパワーを感じさせます。
また参道の半ば、二の鳥居の手前には学問の神さま、菅原道真を祀る「天満神社」が鎮座しています。
氷川神社の摂末社群のご利益は多彩です。
人気のお守りや縁起もの。季節の風物詩、夏越しの大祓や酉の市とは!?
お守り
氷川神社のお守りでは、飾り玉がついた幸せのお守り「幸守」が好評。
3色の「身守」や縁結びの「むすび守」、袋になった「開運守」なども人気です(いずれも700円)。
縁起物、御朱印帳
開運の「神楽土鈴」は胡蝶、花しづめの舞、浦安の舞など9種、かわいい縁起ものです(各1000円)。
また、氷川神社の「オリジナル御朱印帳(1000円)」は神橋と朱塗りの楼門が描かれた趣きが深いもの。ご朱印も初穂料300円で拝受できます。
人気の催事
そして、氷川神社の催事が人気です。
6月30日の「大祓式」は夏越しの大祓とも呼ばれる神事。茅の輪をくぐり、人形に罪けがれを移します。この日だけに授与される「茅の輪守(1000円)」が人気です。
また、12月10日の「大湯祭(十日市)」では季節の風物詩、酉(とり)の市が人気、熊手など縁起ものの露店が並びます。
ご祈願
大宮氷川神社では、お宮参りや七五三、結婚式など様々な人生儀礼のご祈願も執り行われています。
大宮氷川神社のありがたいご利益にあずかることができることでしょう。
大宮氷川神社の基本情報、アクセス、駐車場
●氷川神社(ひかわじんじゃ)
祭神:須佐之男命(スサノオ)、大己貴命(おおなむち)、稲田姫命(いなだひめ)
社格:式内社(名神大)、武蔵国一宮
創建:第5代孝昭天皇3年
所在地:埼玉県さいたま市大宮区高鼻町
アクセス:東武野田線「大宮公園駅」「北大宮駅」徒歩約10分
JR、東武野田線ほか「大宮駅」徒歩約20分
駐車場:第一、第二、西駐車場の3か所(無料)
公式サイト:武蔵一宮 氷川神社
【まとめ】大いなる宮、氷川神社の壮大なパワーの秘密とは!?
氷川神社の地はかつて見沼(神沼、御沼)と呼ばれる広大な湖沼でした。
この地域に恵みを与える水を満々と湛えていたとされ、境内の「神池」や「白鳥池」、霊水が湧く「蛇の池」などはその名残りとされます。
そして古く、見沼を神体とする「氷川神(ひかわのかみ)」と呼ばれる神があり、農業用水としての水神や氾濫をくりかえす荒川流域の治水神として信仰されていました。
見沼周辺から荒川流域は氷川神社群の分布の中心。
氷川神社のパワーの根源には、太古から崇められた見沼の水神、氷川神の存在があったようです。
そこに、この地に入った出雲の民の祖神、須佐之男命、大己貴命、稲田姫命の3神の信仰が重ねられて、大いなる宮の信仰が完成されたようです。
氷川神社に満ちあふれる壮大なパワーの秘密とはアラハバキ神や見沼の水神、氷川神、そして出雲の3祖神と、太古から重ねられてきた民の信仰のエネルギーによるものなのです。